7・抗がん剤治療を行う方のご家族へ

2014/06/28

脱毛・抜け毛

治療中は必ず脱毛するわけではありませんが、脱毛してしまうと、これまで前向きに治療を行っていた方でも気が滅入ってしまうことがあります。その時はご家族の方のサポートが重要です。回復期になるとほとんどの方はこれまで通り毛髪は生えてきます。

脱毛時の対策

  • 気分を明るくするために、抗がん剤治療前の髪型に似た医療用かつらやオシャレな帽子でいつも通りに
  • 抗がん剤治療後にしてみたい髪形や全くしたことも無いような髪型などで前向きにオシャレを楽しむ

吐き気・嘔吐

抗がん剤投与開始直後からに起こったり、治療中の精神的な不安から起こる場合もあります。最近では吐き気止めの良い薬も開発されていますので、医師や看護師と良く相談をされることが大切です。

吐き気が強いときの食事について

  • 一回に食べる量を減らして回数を多くする
  • 温かいものは匂いで吐き気がおこりやすいので少し冷ましてから食べる
  • 消化の良いものを摂るようにする。揚げ物や脂肪分の多い物は避ける

口内炎

口の中がヒリヒリしたり、重症になると痛みのために食事もできないことがありますが、口内炎は治療が終了すると回復します。

口内炎の注意事項

  • 歯磨きやうがいなどで、口の中を清潔にしておく
  • 歯ブラシで刺激が強すぎる場合はうがい薬を用意しておく
  • できれば抗がん剤治療が始まる前に虫歯の治療をしておく
  • 食事は刺激の強い香辛料や酸味の強いものや熱いものなどは避ける

食欲不振

抗がん剤治療中には、精神面のストレスや副作用から、食事に関して消極的になりがちです。もともと持っている免疫力をアップさせるためにも、食事は大変重要ですので、しっかりとるよう心がけることが大切です。

食事の工夫

  • 食事の時にはできるだけ楽しく家族や友人と取るようにする
  • 食事の時間は決めないで、食べられるときに食べるようにする
  • 食べられないときには水分で流し込めるような消化の良いものをとる

便秘

抗がん剤によっては、腸の働きが弱くなったり便秘になりやすいものもあります。また運動不足や食事・水分の摂取量によっても便秘になりやすくなります。便秘は不眠や倦怠感など精神面にも影響を及ぼします。

便秘への注意

  • なるべく毎日同じ時間に排便を心がけるようにする
  • 水分を多めに摂る
  • 散歩など適度な運動を心がける

倦怠感

倦怠感は抗がん剤治療を受けるほとんどの方が感じるものといわれています。体が重く感じたり、何もする気が起きない、すぐに疲れてしまうなどですが、これは抗がん剤投与後に正常な細胞が自己修復しようとして、多くのエネルギーを使用するために起こったり、副作用による様々な症状が原因になっています。

倦怠感への対策

  • 活動をしたときには必ず休息をとる
  • 脱水症状からくる倦怠感もあるので水分の補給を心がける
  • 音楽を聞いたり、昼寝をしたり、リラックスできる方法を見つける

これらの症状は、抗がん剤による副作用の代表的なものです。これ以外にも多くの副作用があり、治療中の患者様はそれとも闘っていかなければなりません。副作用のほとんどは抗がん剤治療が終了すると少しずつ回復していきますので、ご家族の方は患者様が副作用に負けないようにサポートしてあげてください。

抗がん剤の治療中は非常に感染症にかかりやすい状態です。患者様ご自身のうがいや手洗いはもちろん重要ですが、一緒に生活されているご家族の方も 出来るだけ外から病原菌を持ち込まないよう、うがい・手洗いを励行することを心がけてください。

抗がん剤の副作用や食事、生活、通院など、患者様ともどもご家族の方々も不安を持たれることと思います。心配なことは遠慮なく病院スタッフにご相談されることをおすすめします。